激務なエステ店からの帰宅中の電車で一目惚れ【女性 30代前半 主婦】

現在、平々凡々な主婦をしている私が18才の時にあった一目惚れのお話です。

その時私は高校卒業後にエステ店で働いていました。

毎日往復一時間電車に乗り出勤します。

当時はまだエステ店の路上勧誘が横行している時代で、お客様を捕まえるため終電ぎりぎりまで働いていました。

しかし、開店から勤務する場合(俗にいう早番)、少しは早く帰ることができます。

その早く帰れる日の帰りの電車が私の唯一の楽しみになっていました。

いつも同じ車両、だいたい同じ場所に乗るのですが、私の立つその向かい側にとても格好いい男の子が立っていることがあるのです。

彼は一重の大きな目と通った鼻筋、

薄い唇をもち、すらりとした体型で服装もおしゃれでした。

当時は無名でしたが佐藤健さん似で、数年後にドラマなどにでてるのを見て「彼がテレビに出てる?!」と思ったくらいです。

電車の中で一目惚れ。彼をのぞき見する日々

ひとめ見た瞬間、恋に落ちてしまいました。

電車の中で佇む姿にドキドキしたことは今だに忘れられません。

 

今日はいるかな?
会えるかな?

 

と電車に乗るのが楽しみで、偶然にも会えると仕事の疲れが飛んでいきました。

勿論見ているだけです。

目が合いそうになるとさっと顔を伏せて何もなかったふりをしていました。

でも心の中は妄想でいっぱい!

 

彼が落とし物とかしないかな?
もし、落としたら拾って渡して話してそれから・・

 

なんてことばかり思っていました。

自分に自信がなく、行動に移せない時間が過ぎる

エステ店の激務、心身ともにボロボロだった私は自分に全く自信がありませんでした。

もし彼に話しかけでもしたら「絶対嫌がられる変な人」だと思われるのではないか、と怖かったのです。

妄想では「こんな私を好きになってくれる王子さま」でしたが現実にはあまり期待していませんでした。

でも少しでも綺麗に見られたいと服を買ったりメイクを勉強したり一生懸命でした。

彼の目に自分がどう映るか気になって仕方なかったです。

突然の出来事。そして...
そんなある日、あまりにも疲れすぎて電車に乗るやいなや対面式の座席に席を陣取りました。

普段は彼を見たいので、電車の中では立って過ごすことが多いのですが、

一日中、先輩のために走り回った私の体は限界でした。

疲れて電池の切れたロボットのようにグタッと座り、

何となく前を見ると・・なんと目の前に彼が座っていたのです!!

この時のドキドキったらなかったです。

ボロボロの髪とメイクで、なんで今日に限ってなんだと心の中は大混乱!

少しでも綺麗にしなきゃ!」と手ぐしで乱れたブラウンに染めてある髪を整え、

パンダ目を指で拭い、うつむいていました。

窓に映った彼の横顔が見えたのですが、

やっぱり格好良くて盗み見し、ボーっとしてしまいました。

そうこうしているうちに、自分が降りる駅のひとつ前の駅に着きました。

 

こんな近くで彼と会える時間ももうすぐ終わりだな

 

と思っている時に、ふと彼と目があったのです。

 

やばい!じろじろ見てると思われた!

 

と、たじろぐ私。

そして次の瞬間なんと、

 

あの・・

 

と彼から話しかけてきたのです!

びっくりし過ぎて目を見開いてしまいましたが、

人から見ればかなり間抜けな顔をしていたと思います。

彼は、

 

よく電車で一緒になりますよね

 

と少しどもりながら小さめの声で続けました。

 

はい

 

と、同じトーンで答える私。

彼は真っ赤な顔で、

 

えっと、ずっと気になってて、良かったらあの、、、

 

と落ち着かない様子ながらも一生懸命話してくれました。

彼があたふたしていたので急に私は冷静を装えました。

こういう時女性って強いですよね。

 

ありがとうございます、次で降りるので良かったら降りて連絡先を交換しませんか?

 

とこちらから言うと了承してくれました。

それから駅に着くまで無言で過ごし、一緒に降りました。

お互いもじもじしながら少し話し、彼は紙に(なんの紙だったか思い出せないのですがノートをちぎっていたような感じでした)、自分のメールアドレスを書いて渡してくれました。

わざわざホームから改札まで送ってくれ、誠実だなと思ったことを覚えています。

改札を出てお辞儀をして笑顔で手を降って、彼の格好いい顔を再度見て、後ろを向き歩き出しました。

一歩一歩、家に近づくたびに夢の世界から現実に戻っていきます。

装った冷静は飛んでいき心の中では大興奮!!

信じられない気持ちと嬉しい気持ちでパニック!!

歩きながらずーっとニヤニヤしてました。

その夜、彼とのメールがはじまってから、毎日幸せで仕方なかったです。

メールや、あとから聞いたところ私が一目惚れをした少し後くらいからずっと気にしてくれてたそうです。

その後しばらくして、お付き合いすることもできました。

結局、彼とは別れてしまいましたが、最後まで誠実な男性で、今でも心の隅にソッと置いてあるとても良い思い出です。

最後に。一目惚れをしたら
自分に自信がない時でも「自分のことを魅力的だと見ていてくれている人はいるんだ」と感じることができました。

自分は駄目だ!」と決めつけないで視野を広げて、一歩踏み出してみてくださいね!