あんなに思い出に残る一目惚れをしたのはこれが最後かもしれません。
僕が20歳くらいのときでした。
大学で所属していた部活に新入部員がくることに。
みんな興味のないフリをして、実はすごく気になっているようなあの雰囲気は今でも覚えています。
僕もそのうちのひとりでした。
そんなとき、新入部員のなかにいた一人の女の子は、特別美人というわけでもないのですが、
僕にとっては可愛い女の子で、優しそうな雰囲気に惹かれ、
ふと自分の胸に手を当てると、一目惚れをしている自分に気が付いたのでした。
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彼女への想いは加速
もともと僕は奥手で人見知りのタイプなので、しばらくは話すことすらできませんでした。
そのじれっったい時間が、余計に彼女への想いを加速させました。
そうこうしているうちに、新入部員歓迎会の日が来ます。
「ここで彼女に話しかけるしかないぞ!」
と思った僕はどうにか彼女の近くの席に陣取ります。
ですが人見知りの僕がそんないきなり女の子に声をかけられるわけもなく、
ただただその歓迎会の時間だけが過ぎていきました。
このままでは終われないと思った僕は、勇気を振り絞って彼女に声をかけます。
いざ声をかけてみると、彼女も感じよく応えてくれたし意外と話が合いました。
それからはとんとん拍子で事が運び、連絡先を聞いた日からは、毎日のように連絡をとりあっていました。
自然な流れで二人で出かける約束もしましたし、
同じ部活ということもあり、帰りも一緒に帰ることが増えました。
一目惚れの想いを伝えられていなかったことが
ある日、一緒にごはんを食べに行った帰り、
「終電にはまだ時間がありましたし帰るにはちょっと早いなと…」
当時、お互いに一人暮らしだった僕たちはどちらかの家で飲み直そうということになりました。
二人で何度も出かけていましたし、大学でも一緒に講義を受けていたので、
2人の間には友達以上の感情があったのは確かです。
結局彼女の家に行くことになり、しばらくは普通に飲んでいました。
夜も深い時間になったので、そろそろ寝ようという流れに。
僕は床で寝ようと思っていたのですが、彼女の方から一緒のベッドでいいよと。
普通であればまたとないチャンスですが、ここで奥手な僕の悪いところがでました。
一緒のベッドに入った僕ですが、このあと朝になるまで一睡もできず、キスはおろか彼女を抱きしめたり手を握ることもできず…
いざという場面に、
「本当にいいのか?彼女はそういうつもりじゃないかも…」
という想いばかりが駆け巡り、触れることさえできませんでした。
僕は授業があったので、午前中に逃げるように彼女の家をあとにしました。
それからはなんとなく気まずい雰囲気になってしまい、連絡もあまりとることがなくなってしまいました。
大学や部活で会えば普通に話しますが、また2人で出掛けたり一緒に帰ったりする雰囲気にはなれず。
僕は「もう一度」と思っていましたが、あの日の夜のことを気にしている彼女は、肝心なところで僕を避けるようになっていたと思います。
それ以上、僕の一目惚れからスタートした恋が発展することはありませんでした。
最後に。一目惚れをしたら
今もその友達とは仲がいいですし、特にお互い気にしていません。
いまでも時折ある同窓会に、彼女は現れませんが、
当時の女友達に「◯◯君(僕)はあのときもっと頑張るべきだった!」と聞かされ、
あーやっぱり彼女もそう思っていたのか、となんとも言えない気持ちになりました。
あのときの彼女は今何をしていて、どうしているのか全く分かりませんが、
きっとどこかで楽しくやっているんだと思います。
一目惚れをしたら、まずは自分の気持ちを告白していれば良かったかな。笑